連立方程式の問題出題ツール
連立方程式の問題パターン
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連立方程式の問題パターン
2つの方程式から2つの文字(xやy)の値をみつけるのが連立方程式です。2つの方程式なので連立方程式と言います。例をあげると以下のようなものが連立方程式です。
求める文字の値が2つの場合、ひとつの方程式ではたくさんの値の組み合わせがありますが、2つの方程式であればそれぞれ決まった値を求めることができます。
基本の解き方
連立方程式の解き方には、代入法と加減法と呼ばれる2種類の解き方があります。
どちらの解き方でも答えは同じになりますが、問題で解き方を指定されることもあるかもしれないので、どちらの解き方もできるようになっておくほうがいいです。
またテストなどで時間に余裕がある場合に代入法と加減法で解いて答えが同じになるかを確認することもできます。
代入法
代入法は、片方の式の辺を別の式に代入する方式です。言葉だけだとわかりにくいと思いますので問題を使って代入法で連立方程式を解く流れを解説します。
問題
代入法で連立方程式の問題を解く場合、まずどちらかの式の左辺を文字だけに変形します。今回の問題では①の式の左辺をxの項にするために、yの項を右辺に移項します。
x = 4y+12
①を変形したことでxは4y+12と同じということがわかります。なので②の式のxに4y+12を代入します。こうすることで②の式からxをなくすことができ、一次方程式を解く要領でyの値を求めることができます。
8(4y+12)+12y = 8
32y+96+12y = 8
32y+12y = 8-96
44y = -88
y = -2
これでyの値がわかりました。あとはyに値を代入してxを求めます。今回は変形した①の式にyの値を代入します。
x = 4×(-2)+12
x = -8+12
x = 4
xとyの値がわかったので、問題の答えは以下のようになります。
x = 4, y = -2
上記の問題ではxに代入する方法でおこないましたが、yに代入しやすいような問題の場合はyに代入しても構いません。
問題
▼①の式を変形する
y = 2x-1
▼②のyに2x-1を代入する
-12x+9(2x-1) = 3
-12x+18x-9 = 3
-12x+18x = 3+9
6x = 12
x = 2
▼変形した①にxの値を代入する
y = 2×2-1
y = 4-1
y = 3
▼解
x = 2, y = 3
ここまで解説してきた問題では変形した段階で左辺の文字に係数がありませんでしたが、変形しても係数が残ってしまう問題もあります。そのような問題が出た場合には、まず同じ係数・文字があるかを確認します。係数と文字が同じであればそのまま代入することができます。
問題
▼①の式を変形する
21y = -12x-21
▼②の21yに-12x-21を代入する
10x+(-12x-21) = -7
10x-12x-21 = -7
10x-12x = -7+21
-2x = 14
x = -7
▼変形した①にxの値を代入する
21y = -12×(-7)-21
21y = 84-21
21y = 63
y = 3
▼解
x = -7, y = 3
同じ係数・文字であればそのまま代入できますが、もし係数が違うものしかない問題の場合はどうでしょうか。例えば、6xに3xの式を代入したいときには、(6÷3)xと考えます。つまり代入するときには2(3xの式)となります。
問題
▼①の式を変形する
7x = -3y+10
▼②の14xに7(-3y+10)を代入する
(14÷7)(-3y+10)+8y = 8
2(-3y+10)+8y = 8
-6y+20+8y = 8
-6y+8y = 8-20
2y = -12
y = -6
▼変形した①にyの値を代入する
7x = -3×(-6)+10
7x = 18+10
7x = 28
x = 4
▼解
x = 4, y = -6
加減法
加減法は2つの方程式を足すか引く(加減)することで1つの文字を消して値を求める方式になります。こちらも実際の問題を例にして流れを解説していきます。
問題
加減法では、まず足すか引くことで文字が消せるかを確認します。今回の問題ではどちらの式もxの項が2xであるため、式を引けばxを消すことができ、yの値を求めることができます。
2x | -4y | = | -12 | |
-) | 2x | -2y | = | -4 |
-2y | = | -8 | ||
y | = | 4 |
片方の文字の値がわかれば、式に代入してもう片方の文字の値も求めることができます。
2x-4×4 = -12
2x-16 = -12
2x = -12+16
2x = 4
x = 2
これでxとyの値を求めることができました。
x = 2, y = 4
係数が同じ数であれば式を引くことで文字が消せることがわかります。もし係数が符号違いの場合は式を足すことで文字を消すことができます。下記の問題ではyの係数が符号違いなので式を足してxの値を求めています。
問題
-4x | -5y | = | -5 | |
+) | 7x | +5y | = | -10 |
3x | = | -15 | ||
x | = | -5 |
▼①にxの値を代入する
-4×(-5)-5y = -5
20-5y = -5
-5y = -5-20
-5y = -25
y = 5
▼解
x = -5, y = 5
ここまでで係数の絶対値が同じであれば式を加減することで片方の文字を消すことができ、もう片方の値を求めることができるということがわかったかと思います。
では係数の絶対値が同じものがない連立方程式の問題ではどうするか。これは係数の絶対値を揃えるという作業が必要になります。方程式には全項に同じ数を掛けてもその方程式は成り立つという特性があります。この特性を活かして係数を揃えます。
下記の問題は、②の式に3を掛けることによって係数を揃え加減を可能にする例です。
問題
▼②の式に3を掛ける
6x+9y = -18
6x | +8y | = | -14 | |
-) | 6x | +9y | = | -18 |
-y | = | 4 | ||
y | = | -4 |
▼①にyの値を代入する
6x+8×(-4) = -14
6x-32 = -14
6x = -14+32
6x = 18
x = 3
▼解
x = 3, y = -4
上の問題では片方の式だけ掛け算をおこなうことで係数を揃えることができましたが、問題によってはどちらの式にも掛け算をおこなう必要があることもあります。下の問題ではそれぞれの式に掛け算をおこなうことで係数を揃えています。
問題
▼xの係数を揃える
①×2 → 12x-16y = 4
②×3 → 12x-9y = 18
12x | -16y | = | 4 | |
-) | 12x | -9y | = | 18 |
-7y | = | -14 | ||
y | = | 2 |
▼①にyの値を代入する
6x-8×2 = 2
6x-16 = 2
6x = 2+16
6x = 18
x = 3
▼解
x = 3, y = 2
係数を揃えるところに関しては最初は難しく感じるかもしれません。ただ問題を反復して解くことでだんだんと慣れていくと思います。ここは問題を解く回数を増やすことが大事です。
移項・同類項の計算
ここからは連立方程式の応用編に入っていきます。代入法や加減法の基本の解き方を発展させて解く問題になります。
この章では、移項・同類項の計算が必要な連立方程式の問題の解き方を解説します。問題をパッと見た感じは複雑に見えるかもしれませんが、一次方程式の移項・同類項の計算ができれば問題ありません。
問題
このようにひとつの式に同じ文字の項が複数あるような場合は、移項・同類項の計算をおこなって文字の項をひとつずつにしましょう。つまり、●x+○y=□のような形にすることです。これは代入法でも加減法でも同じです。
▼①で移項・同類項の計算をおこない整理する
15x+5x+3y+3y = -6-18
20x+6y = -24
▼②で移項・同類項の計算をおこない整理する
15x-8x+6y-3y = 24-27
7x+3y = -3
この後の解き方は代入法や加減法の基本的な解き方で解きます。連立方程式の応用問題は●x+○y=□の形に変形して基本の解き方をおこなうという流れになります。
少数を含んだ連立方程式
次の連立方程式の応用問題は、少数を含んだ問題です。たとえ少数があってもそのまま計算することもできるのですが、計算間違いなどの可能性もあるので整数に変換した方程式に変形して計算するのが一般的です。
どうやって整数の方程式に変形するかというと、方程式は全項に同じ数を掛けても成り立つという特性を利用します。たとえば少数点以下の桁が1桁であれば10を掛ければ整数にすることができます。
問題
この問題ではどちらの式も少数が1桁なので、それぞれの式に10を掛ければ整数の方程式に変換することができます。
▼①に10を掛けて整数にする
6x-2y = 4
▼②に10を掛けて整数にする
-9x+6y = 6
(以下、省略)
注意事項としては必ず全項に同じ数を掛けるという点です。例えば少数や整数が混じった方程式では少数だけに掛けたりしないことです。
分数を含んだ連立方程式
次に解説するのは分数が含まれる連立方程式の問題です。分数の場合も少数の時と同じように整数に変換して解くのが一般的です。
分数を整数に変換する場合も、全項に同じ数を掛けた場合でもその方程式は成り立つという特性を使います。各項にある分数の分母の最小公倍数を掛けることで分数を整数にすることができます。
この問題では、①の分母の最小公倍数が4、②の分母の最小公倍数が12なのでそれぞれを掛けて整数に変換します。その後は基本の解き方で代入法もしくは加減法で解きます。
▼①に4を掛けて整数にする
2x-y = 6
▼②に12を掛けて整数にする
5x+4y = 2
(以下、省略)
少数の時の繰り返しになりますが、かならず全項に同じ数を掛けることに注意してください。分数や整数が混合しているような式のときに分数だけに数を掛けずに整数にも同じ数を掛ける必要があります。
カッコを含んだ連立方程式
次の応用問題は、カッコを含んだ連立方程式です。特に難しいことはなく一次方程式のときのように分配法則でカッコをはずして解きます。
問題
カッコがある場合は分配法則を使ってカッコをはずし●x+○y=□の形を作ります。そのあとは基本の解き方(代入法や加減法)で解きます。
▼①のカッコをはずす
15x+6y = -21
▼②のカッコをはずす
14x+7y = -14
(以下、省略)
カッコがついた連立方程式の問題は複雑に見えますが、カッコの外し方は一次方程式のときと同じですし、カッコをはずしてしまえば普通の連立方程式です。
A=B=Cの連立方程式
ここまで紹介した連立方程式の問題は式が2つあるものでしたが、A=B=Cのようなひとつの式でイコールが2つあるような形式のものもあります。
問題
6x-10y = 4x-5y = 10このような形式の連立方程式の問題が出た場合には1つの式を2つの式に分けます。つまりA=B=CをA=CとB=Cという2つの式にします。あとは通常の連立方程式の解き方で値を求めることができます。
▼yの係数を揃える
②×2 → 8x-10y = 20
6x | -10y | = | 10 | |
-) | 8x | -10y | = | 20 |
-2x | = | -10 | ||
x | = | 5 |
▼①にxの値を代入する
6×5-10y = 10
30-10y = 10
-10y = 10-30
-10x = -20
x = 2
▼解
x = 5, y = 2
式を2つの分ける場合、必ずしもA=CとB=Cである必要はありません。問題によってはA=BとC=Bに分けたほうがいいという場合もあります。このあたりは問題によって臨機応変に対応してください。
まとめ
連立方程式の問題パターンを解説してきました。連立方程式を解く手順をまとめると以下のようになります。
1.●x+○y=□の形を作る(カッコをはずし少数や分数は整数にする)
2.代入法や加減法で値を求める
連立方程式は複雑に見えて実は単純です。ポイントはやはり代入法や加減法の解き方に慣れるという部分です。
代入法や加減法に慣れれば連立方程式は特に難しい問題ではありません。応用は基本の解き方をおこなうために手順が増えるだけです。
連立方程式の問題を完璧にするためには反復練習するのがやはり一番です。このページの問題出題ツールを活用して何度も連立方程式の問題を解く練習をして完璧にマスターしましょう。
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